虫歯の治療で過去に銀歯を詰めた経験がある人は多いでしょう。
しかし、銀歯だと、ふとした時に見えたときに、見栄えがよくありませんよね。
本記事では、「保険適用による銀歯を白くする治療」について解説します。
過去は保険適用できるものが銀歯だけでしたが、昨今では保険適用される治療も多いです。
その他にも「銀歯の特徴」や「銀歯を白くする保険適用の条件」について解説するので、銀歯が気になって思い切って口を開けられないと悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
銀歯の特徴
一般的に歯科治療で用いられる被せ物は銀歯です。
銀歯は見栄えが悪いデメリットもありますが、強度が高く安価というメリットがあります。
ただし、金属であるからこそのデメリットもあり、アレルギーを引き起こす可能性もなど、注意しなければいけません。
以下で、銀歯のメリット・デメリットについて詳しく解説します。
銀歯の2つのメリット
銀歯のメリットを挙げるならば、以下の2つがあります。
- 安価で治療できる
- 強度が高い
銀歯は割れたり欠けたりする可能性が低いため、安価でありながらも長期間使えます。
銀歯の5つのデメリット
メリットと比べると、銀歯のデメリットは多いです。
主なデメリットは、以下の5つになります。
- 見栄えが良くない
- 金属アレルギーを引き起こす可能性がある
- 銀歯の下が虫歯になる可能性がある
- 歯肉が変色する可能性がある（メタルタトゥー）
- 表面が傷つきやすいため、歯周病にかかりやすい
安価である反面、口内環境を悪くさせてしまうデメリットがあります。
銀歯を白くするのは可能？
結論から言えば、銀歯を白い歯にする治療は可能です。
ただし、銀歯を白くするための治療には、保険適用と自由診療の2つがあります。
保険適用外の治療を行う場合、数万円かかってしまうので、予算と相談しながら考えると良いでしょう。
銀歯を白くする3つのメリット
銀歯を白くしたいと考えるのであれば、銀歯を白くすることで得られるメリットについて知っておきましょう。
主なメリットとして、3つが挙げられます。
- 虫歯の再発を予防できる
- 見栄えが綺麗
- 金属アレルギーを起こさない
それぞれのメリットについて以下で解説します。
虫歯の再発を予防できる
セラミックなどの歯を白くするために使用される材質は、菌や汚れが付きにくいために虫歯が再発しにくい特徴があります。
銀歯は隙間ができやすいため、虫歯の再発が起きやすいです。
過去に銀歯の中が虫歯になってしまったという経験を持つ人は、銀歯以外の方法を考えた方が良いでしょう。
見栄えが綺麗
銀歯を白くすると、周囲から見た見栄えが良くなります。
銀歯は金属であるため、周囲の人が口のなかを見たときに、すぐに治療した歯だとわかってしまいます。
全体的に綺麗な歯に見せたいのであれば、銀歯を白くした方が良いでしょう。
金属アレルギーを起こさない
銀歯の素材は金属であるため、人によっては金属アレルギーを起こす可能性があります。
金属アレルギーを引き起こす理由は、銀歯が口腔内で金属イオンとして溶けだし、体内に溜まってしまうからです。
白い被せ物であれば、金属ではない素材を選択できるので、金属アレルギーになる可能性がありません。
銀歯を白くする3つのデメリット
銀歯を白くする3つのデメリットについても理解しておきましょう。
- 治療費が高い
- 耐久性が低い素材もある
- 歯を削る可能性がある
銀歯を白くするのは、メリットだけではありません。
なぜそれぞれのデメリットが生じてしまうのか、以下で解説します。
治療費が高い
銀歯は保険適用内の治療であるため、費用を安く抑えられます。
一方で、銀歯を白くできる素材が保険適用外のものだと、1歯あたり数万円以上かかる場合があります。
保険適用で行える治療方法もあるので、医師に相談しながら決めると良いでしょう。
耐久性が低い素材もある
歯を白くする素材によっては、耐久性が低いものもあります。
ものによっては、銀歯よりも耐久性が低い素材もあるので、傷ついたり欠けたりしてしまう可能性もあるでしょう。
耐久性についても治療時に相談できるので、医師と相談しながら耐久性の高い素材を選ぶようにしましょう。
歯を削る可能性がある
銀歯を白くする場合、材料に対しての形を整えなければいけない可能性があります。
もしも形を整える場合は、歯を削らなければいけません。
虫歯などの問題がなくても歯を削るので、デメリットと言えるでしょう。
保険適用で銀歯を白くする治療
保険適用内で銀歯を白くしたい人は、以下の治療方法をおすすめします。
- コンポジットレジン
- ハイブリッドセミラックレジン冠
以下でそれぞれの方法や特徴、メリット・デメリットについて解説します。
コンポジットレジン（CR）
コンポジットレジンとは、プラスチック製の樹脂です。
銀歯を外して、プラスチック製の樹脂を詰めて固めます。
噛む面や一部分の小さい銀歯であれば、コンポジットレジンで対応できます。
費用は、保険適用で1500円前後です。
コンポジットレジンのメリット
コンポジットレジンは、一部分に適用できるプラスチック製の樹脂であるため、以下のようなメリットがあります。
- 1日で治療が終了する
- さまざまな色から自然な色の樹脂を選べる
治療の時間がかからない上に、自然な見栄えにできるので、メリットは大きいと言えます。
コンポジットレジンのデメリット
コンポジットレジンの主なデメリットは、耐久性の低さです。
- 長期間の使用で変色やすり減りが生じる可能性が高い
- 虫歯が大きい人や噛む力が強い人には使用できない
人によって合う・合わないがあるので、医師と相談した上で決めましょう。
ハイブリッドセラミックレジン冠（CAD/CAM）
ハイブリッドセラミックレジン冠とは、レジンよりも丈夫な材質で作られた被せ物です。
いくつかの条件はあるものの、基本的には保険適用内で治療できます。
CAD/CAM装置によって削りだすため、割れにくく頑丈です。
ハイブリッドセラミックレジン冠のメリット
ハイブリッドセラミックレジン冠のメリットは、以下の3つです。
- 金属アレルギーを引き起こす可能性がない
- プラスチックと比べて変色の可能性が低い
- 天然歯に近い透明感がある
見栄えが良くなる上に、金属アレルギーなどのデメリットもありません。
現在保険適用内で行える治療のなかでは、最もメリットが多いと言えます。
ハイブリッドセラミックレジン冠のデメリット
ハイブリッドセラミックレジン冠のメリットは多いですが、他の治療と比べて劣る部分もあります。
主なデメリットは、以下の3つです。
- セラミックと比較すると耐久性が低い
- 長期間の使用で透明感がなくなる可能性がある
- 保険適用されないケースがある
基本的には保険適用されますが、人によっては保険適用外になる場合もあるので、事前に医師と相談しておきましょう。
保険適用外の銀歯を白くする治療
銀歯を白くする治療には、保険適用外のものもあります。
予算に余裕があるのであれば、保険適用外の治療も検討してみましょう。
- セラミック
- ホワイトコート
- シンデレラスマイル
以下で、それぞれの特徴やメリット・デメリット、費用目安について解説します。
セラミック
一重にセラミックと言っても、以下のような種類があります。
- 陶器とプラスチック樹脂を混ぜたもの
- 陶器のセラミック
- 人工ダイヤモンドのジルコニアのみを使用したもの
種類が豊富であるため、一概に費用には出せませんが、自費ジルコニアセラミック歯で11万から16万が目安です。
耐久性にも優れており、白い綺麗な歯に見せられます。
セラミックのメリット
セラミックのメリットは、以下の3つです。
- 変色しない
- 透明感が落ちない
- 耐久性に優れている
セラミックは高価ではあるものの、耐久性に優れています。
長期間使用することを考えれば、決して高い金額ではないと言えるでしょう。
セラミックのデメリット
セラミックのデメリットは、高価であることの他、頑丈すぎるといった点です。
具体的には、以下のデメリットになります。
- 噛み合わせに力がかかると自分の歯が削れてしまう可能性がある
- 自由診療のため費用が高い
費用については、クリニックによっても設定している金額が異なります。
ホワイトコート
ホワイトコートは、銀歯を白く塗る治療法です。
銀歯の表面に歯専用のマニキュアを塗って固めて、歯を白く見せます。
保険適用外ではあるものの、1本あたり2,000円～5,000円と安価です。
ホワイトコートのメリット
ホワイトコートは、保険適用外ではあるものの、安価かつ気軽に歯を白くできる治療です。
主なメリットとして、以下の3つが挙げられます。
- 1回の施術で歯を白くできる
- 通院の必要がない
- 歯を削る必要がない
銀歯であることは変わらないのでデメリットもありますが、とにかく歯を白く見せたい人にはおすすめの方法です。
ホワイトコートのデメリット
ホワイトコートは気軽にできるメリットがありますが、デメリットとして以下の部分があります。
- 虫歯部分には施術できない
- 1～3ヵ月程度しか白さを維持できない
- 噛む部分は白く塗れない
- 塗った部分に厚みが出る
保険適用外の治療のなかではもっとも気軽ですが、その分制限も多いので、長期的に白くしたい人には向いていないでしょう。
シンデレラスマイル
シンデレラスマイルとは、歯の上にかぶせて銀歯を白く見せるマウスピース型装置です。
マウスピース型装置であるため、銀歯によるデメリットを防げるものではなく、あくまで審美的な効果のみになります。
費用は、上あご、下あごともに160,000円ほどです。
シンデレラスマイルのメリット
シンデレラスマイルは、歯に装着するだけの簡単な方法です。
メリットとして、以下の3つが挙げられます。
- 歯を削る処置が不要
- 取り外しが自由
- 好みの色を選べる
好きな時に外して自分で洗えるので、衛生的に扱えるのもメリットです。
シンデレラスマイルのデメリット
シンデレラスマイルは気軽に使えますが、装着までの期間などにおいてデメリットが発生します。
- 作成後に調整が必要になる可能性がある
- 完成までに3週間ほどかかる
- 費用が高額
あくまで審美的な効果のみなので、急ぎで歯を白く見せたいときにおすすめです。
銀歯を白くしたい人のよくある疑問
銀歯を白くしたい人のよくある質問に回答していきます。
今すぐ銀歯を白くしたい人で、不安を感じている人は、以下を参考にしてください。
今入っている銀歯を白い歯に交換できますか？
上記で紹介したような方法で交換はできます。
ただし、交換したい部分が虫歯になっていない場合は保険適用外となるので注意してください。
交換したい部分や周辺が虫歯になっている場合は、保険適用内での交換が可能です。
銀歯を白くしたい人は保険適用内の治療を行いましょう
銀歯を白く見せるための方法は、保険適用内でも以下の2つがあります。
- コンポジットレジン（CR）
- ハイブリッドセラミックレジン冠（CAD/CAM）
従来は保険適用外でしたが、2022年12月現在では保険適用内で治療できるため、費用負担を抑えられます。
ただし、対応しているクリニックは限られるので、お近くのクリニックなどで問い合わせてみると良いでしょう。
ぜひ今回の記事を参考に、美しい白い歯で、自信を持てるようになってください。
【監修者：しろくま歯科医院 院長 白根 裕司】